エレベーター方式や二段方式・多段方式など、機械式駐車場には多くの種類があります。これらは限られた敷地を有効に活用できるという大きなメリットを持っています。しかし、時代とともに居住者のニーズが変化し、多くのマンションで機械式駐車場の利用が減少しています。このため、空き区画が増え、管理組合にとって大きな悩みの一つとなっています。
【解体工事の必要性】
空き区画が増えると、駐車場使用料収入の減少に直結します。また、定期点検や部品の修繕・更新など、機械式駐車場の維持管理には経費がかかります。特に、設置から20年～25年が経過すると大規模な改修が必要となり、管理組合の会計に大きな負担がかかります。そこで、機械式駐車場の解体と平面化という選択肢が重要な解決策として浮上しています。
機械式駐車場を解体し平面駐車場を設置することで、以下のメリットが得られます：
- ハイルーフ車やミドルルーフ車の利用が可能：駐車スペースの制約がなくなり、多様な車種に対応。
- 入出庫時の待ち時間が解消：駐車場の利用がスムーズになり、利便性が向上。
- メンテナンス・更新費用の削減：機械の維持管理費用や電力消費が不要に。
ただし、以下の点も考慮する必要があります：
- 駐車台数の減少：平面化により駐車可能台数が減少するため、使用料収入の減少に対応する料金設定の見直しが必要。
- 行政の附置義務台数の確認：現状の必要な駐車台数を正確に算定し、対応策を検討。
- 工事期間中の駐車スペースの確保：住人への影響を最小限に抑えるための措置。
主な工法
工事は主に以下の2種類の工法で行われます：
１．埋め戻し工法：撤去後のピット（穴）を再生砕石などで埋め戻し、アスファルト舗装で仕上げます。
２．鋼製床工法：ピットを金属製の構造物（鋼板）で塞ぐ工法です。軽量で沈下の恐れが少なく、改修期間が短いという利点があります。
詳しくはマンション維持修繕技術者にご相談ください。
